ホーチミン旅行で絶対に食べたいグルメといえば、ベトナム風の豚丼「コムタム」。でも、いざお店を探そうとすると「どのお店が本当に美味しいの?」「ローカル店は衛生面が心配…」と悩んでしまいますよね。
この記事では、地元民が愛する老舗から観光客も安心の綺麗なお店まで、ホーチミンでおすすめのコムタム店を10軒厳選してご紹介します。美味しい食べ方や注文のコツも解説するので、本場の味を存分に楽しめますよ。
ホーチミン名物コムタムとはどんな料理?

ホーチミンを訪れたら必ず味わいたいソウルフード「コムタム」。一見するとシンプルな豚肉のせご飯ですが、その美味しさにはベトナム南部の食文化が凝縮されています。まずはコムタムがどんな料理なのか、その魅力の秘密を解説します。
砕き米を使ったベトナム南部のソウルフード
コムタムの「コム(Cơm)」はご飯、「タム(Tấm)」は砕き米を意味します。その名の通り、精米の過程で砕けてしまったお米を使って炊いたご飯が特徴です。もともとは農家の人々が食べていた家庭料理でしたが、今ではホーチミンを代表する人気グルメになりました。
砕き米は通常のお米よりも水分をよく吸うため、パラパラとした食感に炊き上がります。この独特の食感が、後述する甘辛いタレやジューシーな豚肉と絶妙に絡み合い、一度食べたら忘れられない美味しさを生み出すのです。
甘辛いタレが絶品!コムタムの味の特徴
コムタムの味の決め手となるのが、魚醤「ヌックマム」をベースにした甘辛いタレです。このタレは、ヌックマムに砂糖、ライム果汁、ニンニク、唐辛子などを加えて作られ、甘さ、しょっぱさ、酸味、辛味のバランスが絶妙です。
お店によってタレのレシピは様々で、それぞれの個性が光ります。このタレを炭火で焼かれた香ばしい豚肉とパラパラのご飯にたっぷりかけて混ぜ合わせることで、食欲をそそる一体感のある味わいが完成します。
炭火焼き豚肉が定番の人気の具材を紹介
コムタムの主役といえば、なんといっても炭火でじっくり焼かれた豚肉「スオン・ヌオン(Sườn nướng)」です。甘辛いタレに漬け込まれた骨付きの豚肉が、炭火の香ばしい香りをまとって食欲を刺激します。
豚肉以外にも、人気のトッピングはたくさんあります。自分好みにカスタマイズできるのもコムタムの魅力の一つです。代表的な具材をいくつかご紹介します。
- チャー(Chả):豚ひき肉や春雨、キクラゲなどを混ぜて蒸した卵焼きのようなもの。
- ビー(Bì):細切りにした豚の皮を米粉で和えたもの。コリコリとした食感が特徴。
- オプ・ラ(Ốp la):ベトナム風の目玉焼き。半熟の黄身をご飯に絡めて食べるのが人気。
ホーチミンのおすすめコムタム店10選を厳選紹介

それでは、数あるホーチミンのコムタム店の中から、特におすすめのお店を厳選して10軒ご紹介します。「地元民に愛される有名店」と「観光客も安心して入れる人気店」の2つのカテゴリーに分けているので、目的に合わせて選んでみてください。
地元民が通う!ホーチミンのおすすめ有名店5選
まずは、ローカルのベトナム人でいつも賑わっている実力派の有名店をご紹介します。現地の活気あふれる雰囲気の中で、本場の味を堪能したい方におすすめです。少しディープな体験が、旅の素敵な思い出になること間違いなしです。
CƠM TẤM BA GHIỀN:行列必至の炭火焼肉店
フーニャン区にあるこのお店は、ホーチミンで最も有名なコムタム店の一つです。名物は、お皿からはみ出るほど巨大な骨付きの炭火焼き豚肉。その圧倒的なボリュームと、甘辛いタレが染み込んだジューシーな味わいは、一度食べたら忘れられません。
お昼時には常に行列ができていますが、並んででも食べる価値のある絶品コムタムです。ローカルな雰囲気の中で、ガッツリとお肉を味わいたい方に特におすすめ。テイクアウトを利用する地元の人も多い人気店です。
CƠM TẤM NGUYỄN VĂN CỪ:中心地からアクセス抜群
観光の中心地である1区の近く、グエン・ヴァン・クー通りにある人気店です。アクセスしやすい立地で、本格的なローカルの味を楽しめるのが魅力。豚肉、チャー、ビーなど、定番の具材がどれも丁寧に作られており、バランスの取れた美味しさです。
店内は常に地元のお客さんで活気にあふれています。観光の合間に手軽なランチで立ち寄りたい時に便利な一軒です。値段も手頃で、コストパフォーマンスの高さも人気の理由となっています。
CƠM TẤM BÃI RÁC:夜中に賑わう屋台の人気店
「ゴミ捨て場のコムタム」というユニークな名前で知られる、4区の屋台店です。その名の通り、昔はゴミ集積所の近くにあったことから名付けられました。夕方から深夜にかけて営業しており、夜食を求める人々でいつも賑わっています。
炭火で焼かれた香ばしい豚肉はもちろん、鶏肉やイカなど様々な具材が選べるのも特徴。夜のホーチミンで、ディープな食体験をしたい方にはぴったりの場所です。飲んだ後のシメに訪れるのもおすすめです。
CƠM TẤM SÀ BÌ CHƯỞNG:老舗の伝統的な味わい
ホーチミンで長年愛され続けている老舗のコムタム店です。派手さはありませんが、昔ながらの製法を守り続けた伝統的な味わいが地元の人々から絶大な支持を得ています。特に、豚皮の細切り「ビー」の美味しさには定評があります。
豚肉の味付けもどこか懐かしく、優しい味わいです。奇をてらわない、王道のコムタムをじっくりと味わいたい方におすすめ。ホーチミンの食文化の奥深さを感じられる一皿に出会えます。
CƠM TẤM KIỀU GIANG:24時間営業でいつでも楽しめる
フーニャン区を中心に複数の店舗を展開するチェーン店で、最大の特徴は24時間営業であることです。早朝のフライト前や、深夜にお腹が空いた時など、時間を気にせずいつでも本格的なコムタムを食べられるのが嬉しいポイント。
コムタム以外のフーティウといった麺料理など、ベトナム料理のメニューも豊富に揃っています。時間を問わず食事をしたい旅行者にとって、非常に頼りになるお店です。味も安定しており、どの時間帯でも満足できます。
清潔感あり!観光客におすすめの人気店5選
次に、ローカル店の衛生面が少し心配という方や、ベトナム料理初心者の方でも安心して利用できる、清潔感のある人気店をご紹介します。おしゃれな空間で、快適にホーチミンのソウルフードを楽しみたい方はぜひチェックしてください。
CƠM TẤM MỘC:おしゃれな空間で楽しむコムタム
ホーチミン3区にある「コムタム モック」は、カフェのようにおしゃれで清潔感のある店内が特徴です。女性一人でも気軽に入りやすい雰囲気で、観光客からの人気も非常に高いお店。エアコンが効いているので、暑い日でも快適に食事ができます。
伝統的なコムタムの味を大切にしつつも、盛り付けなどが洗練されています。衛生面を気にせず、落ち着いた環境で美味しいコムタムを味わいたい方に最適です。メニューには写真も付いており、注文しやすいのも嬉しいポイントです。
CƠM TẤM ĐỖ PHỦ ĐẠI HÀN:韓国風焼肉がのる珍しい店
店名に「大韓」とある通り、こちらは韓国風の甘辛い味付けの焼肉が乗ったコムタムが名物という少し珍しいお店です。ベトナムの伝統的な味付けとはまた違った、新鮮な美味しさを楽しむことができます。
ベトナム料理は少し苦手という方や、いつもと違うコムタムを試してみたいという探究心旺盛な方におすすめです。ベトナムと韓国の食文化が融合したユニークな一皿は、新しい発見があるかもしれません。
CƠM TẤM BA HÁ:豊富なメニューが魅力のチェーン店
ホーチミン市内に複数の店舗を持つ人気のチェーン店です。メニューが非常に豊富で、定番の豚肉から魚、エビなど様々なトッピングを選べるのが魅力。セットメニューも充実しているので、何を注文していいか分からない初心者でも安心です。
店内は清潔で、家族連れでも利用しやすい雰囲気です。安定した品質と幅広い選択肢を求める方にぴったり。どの店舗もアクセスしやすい場所にあるため、滞在先の近くで見つけやすいのもメリットです。
CƠM TẤM ÂM PHỦ:フエの名物コムタムが味わえる店
このお店では、ホーチミンで一般的な南部風とは少し異なる、ベトナム中部の古都フエのスタイルのコムタムを味わうことができます。「Âm Phủ(黄泉)」という少し怖い名前ですが、夜遅くまで営業していることから名付けられたと言われています。
フエ風のコムタムは、より繊細な味付けが特徴です。ホーチミンにいながら、他の地域のベトナム料理も楽しんでみたいという方におすすめ。南部風との味の違いを食べ比べてみるのも面白い体験です。
CƠM TẤM TỨ QUÝ:ボリューム満点で満足度が高い
こちらも地元で人気のお店で、とにかくボリューム満点なことで知られています。お皿にたっぷりと盛られたご飯と、それを覆い尽くすほどの大きなお肉やおかずは、見た目のインパクトも抜群。食べ応えを求めるなら間違いありません。
コストパフォーマンスが非常に高く、お腹いっぱい食べたい学生や男性客に特に人気です。ホーチミンのローカルフードで、心ゆくまで満腹になりたいという方はぜひ訪れてみてください。
コムタムの美味しい食べ方と注文のコツを解説

お目当てのお店を見つけたら、次は美味しく食べるためのコツを知っておきましょう。ちょっとしたポイントを押さえるだけで、コムタムの魅力をさらに深く味わうことができます。注文方法も簡単なので、ぜひ挑戦してみてください。
ヌックマムをかけて混ぜるのが基本の食べ方
テーブルには通常、ヌックマム(魚醤ベースのタレ)が入ったピッチャーや小皿が置かれています。まずは、このタレをお好みの量だけご飯全体に回しかけましょう。小ネギの油(モーハイン)やフライドオニオンがかかっていることも多いです。
タレをかけたら、スプーンを使ってご飯と具材、タレをよく混ぜ合わせます。全体がよくなじんだら食べごろです。添えられたキュウリやトマトの漬物(ドゥア・チュア)は、良い箸休めになりますよ。
指差しや写真で簡単!メニューの注文方法
ローカル食堂ではベトナム語のメニューしか無いこともありますが、心配は無用です。多くのお店では、店頭のガラスケースに調理済みの具材が並んでいるので、食べたいものを指差すだけで簡単に注文できます。
また、観光客に人気のお店では写真付きのメニューが用意されていることがほとんどです。指差しと合わせて「Cái này(カイ・ナイ/これください)」と言うだけで通じます。言葉の壁を気にせず、気軽にチャレンジしてみましょう。
テイクアウトやデリバリーも上手に活用しよう
コムタムは、ベトナムではテイクアウトの定番メニューでもあります。お店で「Mang về(マン・ヴェー/持ち帰り)」と伝えれば、発泡スチロールの容器に入れてくれます。ホテルの部屋でゆっくり食事をしたい時に便利です。
また、GrabFoodなどのフードデリバリーアプリを利用するのもおすすめです。アプリを使えば、人気店の味を滞在先まで届けてもらえます。特に暑い日や雨の日には重宝する方法なので、上手に活用してみてください。
まとめ:ホーチミンで絶品コムタムを味わおう

この記事では、ホーチミンでおすすめのコムタム店10選と、その美味しい食べ方や注文のコツをご紹介しました。地元民で賑わう活気あるお店から、観光客も安心して入れる清潔なお店まで、ホーチミンには魅力的なコムタム店がたくさんあります。
B級グルメでありながら、お店ごとに個性があり奥が深いのがコムタムの魅力です。ぜひこの記事を参考にして、あなただけのお気に入りの一皿を見つけるグルメ旅を楽しんでください。香ばしい豚肉と甘辛いタレのハーモニーは、きっと忘れられない思い出になりますよ。
ホーチミンのコムタムに関するよくある質問

最後に、ホーチミンのコムタムについて旅行者の方からよく寄せられる質問にお答えします。疑問点を解消して、安心して現地の味を楽しんでくださいね。
ベトナム料理のコムタムとはどういう意味ですか?
コムタム(Cơm Tấm)はベトナム語で、「コム(Cơm)」がご飯、「タム(Tấm)」が砕き米を意味します。つまり、「砕き米を使って炊いたご飯」というのが直訳です。この砕き米の上に炭火焼きの豚肉などを乗せた料理全体を指す言葉として使われています。
元々は農家が売り物にならないお米を有効活用したのが始まりとされ、今ではベトナム南部、特にホーチミンを代表するソウルフードとして広く親しまれています。パラパラとした独特の食感が特徴です。
コムタムはどんな味でどのように食べる料理ですか?
コムタムは、炭火で香ばしく焼いた豚肉などの具材をご飯に乗せた、日本の丼ものに近い料理です。味の決め手は、魚醤「ヌックマム」をベースにした甘辛いタレで、このタレを全体にかけてよく混ぜてから食べるのが一般的です。
甘じょっぱい味付けは日本人の口にも合いやすく、多くの旅行者に人気のベトナム料理です。添えられた野菜の漬物と一緒に食べると、さっぱりとした味わいが加わり、さらに美味しくいただけます。
ホーチミン市内で有名なお店はどこにありますか?
ホーチミンには数多くのコムタム店がありますが、特に有名なのはこの記事でも紹介した「CƠM TẤM BA GHIỀN」です。お皿からはみ出る巨大な骨付き肉が名物で、常に行列が絶えません。ローカルな雰囲気を味わいたい方におすすめです。
また、観光客には清潔でおしゃれな「CƠM TẤM MỘC」も人気があります。ホーチミン市内にはたくさんの名店が点在しているので、この記事のリストを参考に、滞在エリアや好みに合わせて選んでみてください。
コムタムの値段の相場はいくらくらいですか?
コムタムの値段は、お店の形態や立地によって大きく異なります。道端の屋台やローカルな食堂であれば、一皿50,000VND(約300円)前後から食べることができます。これは非常にリーズナブルな価格帯です。
一方、観光客向けのレストランや清潔感のあるお店では、一皿80,000〜120,000VND(約500円〜750円)程度が相場です。トッピングを追加するとその分値段が上がりますが、それでも日本と比べると手頃な価格で楽しめます。
ローカル店の衛生面は大丈夫なのでしょうか?
多くの旅行者が気になるのがローカル店の衛生面だと思います。ほとんどのお店は問題ありませんが、心配な方はいくつかのポイントをチェックすると良いでしょう。地元のお客さんで賑わっているお店は、食材の回転が速いため比較的安心です。
また、調理場が見えるお店であれば、その清潔度を確認するのも一つの方法です。もし不安な場合は、この記事の「観光客におすすめの人気店」で紹介したような、清潔さに定評のあるお店を選ぶことをおすすめします。
